お母さんに怒られたのだろうか バスの荷台には 泣きっ面の少年がいた 遠くに行こうと思ったのだろうか バスの荷台には 泣きっ面の少年がいた 家出するには幼すぎ 黙って帰るには育ちすぎた ちっちゃなちっちゃな プライドが 円…
リーダー格の女の子は ちょっとばかしませていて 花柄のワンピに身を包み 頭にリボンを載せていた でも口には チュッパチャプス その口には 隠れた世界企業 チュッパチャプスのキャンディーが しっかりと咥えられていた
くりくりっとした お目々が可愛くて すっぽりと 包まれた姿が 愛おしくて でもどうして 僕の目が 釘付けになるのは 女の子の 鼻の下に光る 一筋の鼻水だった
お父さんも お母さんも 忙しいのだろう 小さな女の子が もっと小さな子を 子守していた 僕が カメラを向けると 女の子は まるで 汚いものが 大切な赤ん坊の視界に 入るのを防ぐかのように 赤ん坊の目を隠したのだった…
ポイタンの村は バナウェから 歩いて 30分くらいのところにある 長閑な農村で 観光客向けのお店なんて 何もなくて 活発な子供は 村の至る所で遊んでいて 人見知りの子供は 玄関の内側から こっそりと こちらを窺っていた
用心深さと 大胆さ どちらも 心に棲みついて どちらも 時折顔を出す 上手に 使いこなせれば きっと 生き方楽になる 今よりずっと楽になる
幼い兄妹は 身を寄せ合っていた 何かに怯えるように 身を寄せ合っていた 兄妹が怯えていたのは…. 見ず知らずの僕かもしれない
バンガアンの集落に 足を踏み入れた僕を 男は鋭い眼光で迎えた まるで招かざる客が来たかのように 確かに 僕は誰にも招かれていない 興味本位で訪れた 一介の旅行者だった