風が吹き
風車が回るのと
時を同じくして
頭の中の風車も
シュルシュルと
回り出して
気が付くと
僕は
見覚えのある
路地に立っていた
(写真:岡山・矢掛にて)
ひんやりとした
板張りの廊下を
進んでいくと
その先には人影があった
顔は見えない
誰かと話しているのかも知れない
誰かと談笑しているのかも知れない
僕は
板張りの上で
そっとのぞき見ていた
(写真:津山)
雨の中
傘を片手に
道端に
いつ止むことか
わからぬけれど
やまぬ雨はないのだから
きっと
明日は
晴れるのだ
それまでの間
じっと
傘を手に
じっと
(写真:津山)
石はじっと
立ち尽くしながら
その力を
周りに分け与えている
一言も発することはないし
誰かに自らのことをアピールする訳でもなく
ずっと
ただひたすらに
自らの為すべきことを
しているのだ
ずっと
これからもずっと
(写真:津山・頼久寺)
見つめる
その水面には
何が映っているのだろう
じっと見つめる今の自分?
それとも明日の自分?
(写真:倉敷・美観地区)
スクリーンの中に
閉じ込められた
彼女の姿は美しい
永遠に美しい
スクリーンの中から
解き放たれたときの
彼女は
確かに年老いたかも知れない
確かに皺が増えたかも知れない
でも
ユニセフの親善大使として
恵まれない子供たちと
触れ合っていた時の
彼女の笑顔は
もっと
もっともっと
美しい
(写真:倉敷・美観地区)
柳の下で
傘が揺らぐ
右から風が来たら
左へ揺らぎ
左から風が来たら
右へと揺らぐ
どれだけ揺らいでも
気が付くと
最初と同じところにいる
そんな風に
僕もありたい
(写真:倉敷・美観地区)
路地の向こうを見ると
人が歩いている
自分の周りには
人気が無いのに
向こうには
人が歩いている
ここにいて
いいのかどうか
考えたって仕方がない
ひとはひと
じぶんはじぶん
それでいいのだ
(写真:倉敷・美観地区)
どこまでも続く屋根
どの屋根の下にも
人々の生活があって
小さな幸せがあって
小さな不幸があって
そして
それは明日もそこにある
それは明後日もそこにある
(写真:倉敷・美観地区)
路地の先に
自転車を見つけて
すぐに行ってみても
もうそこには
自転車はいない
振り返ると
さっきまで
自分のいたところに
自転車があるかもしれない
行き交いそうで
なかなか
行き交えない
世の中
そんなことばかりかもしれない
(写真:倉敷・美観地区)