四葉
京都の見所の多くは歩いて回れるくらいの距離にあるとは言うものの、やはり時にはタクシーに乗ってしまう。京都のタクシーと言えば低価格路線が売りのMKタクシーは東京でも有名だ。ガソリン価格が高騰している昨今では低価格路線を続けるのも一苦労だろう。先日のテレビでは多くのタクシー会社が値上げを申請しているというニュースを流していたくらいだ。
京都のタクシーの運転手は皆一様に親切なのには驚いた。どのタクシーに乗ってもハズレが無い。東京のタクシーに乗ると道を知らない運転手に当ってしまう不運もあるが、京都ではそんなことはない。その上、運転をしながら簡単な名所案内をしてくれる。
「右に見えるのが北野天満宮」とか
「これは御所」とか
ちゃんと教えてくれるのだ。その上、喫茶店の情報も知っていたりする。運転手は中年の男性だった。その人の口から「流行の抹茶カフェ」なんて言葉が出てくるとは思わなんだ。ちなみに僕は抹茶カフェなるものが流行っていることさえ知らなかった。
「祇園にある抹茶カフェは混んでいるから、ねねの道にある方がいいよ。大抵の場合は空いている。」
おお!おじさんは何でも知っている!みたいな雰囲気だ。まさかおじさんが若者向けの情報誌を日々読んで研究している訳ではないだろう。観光客へのサービスが徹底しているのだろうな。でも自分が知らないことを訊かれると静かになる一面もある。何でも知っていそうだったので「烏丸」は何で「からすまる」ではなくて「からすま」なのか、「る」はどこへ行ってしまったのかと訊いてみたところ、さり気なく話題を変えられてしまった。うむむ。熟練の話術ではぐらかされてしまった。
この町で有名なタクシーにはヤサカタクシーもある。京都で初めてタクシーを走らせた伝統ある会社だ。今でも市内で最も多くのタクシーを走らせているらしい。この会社のトレードマークはクローバーだ。車体の屋根に屋根に三つ葉のクローバーを付けているタクシーをよく見かける。クローバーはその旺盛な繁茂する力から活力のシンボルとされているから、会社の繁栄を願う気持ちが込められているのだろうな。そして四葉のクローバーは幸運のシンボルとされる。それはヤサカタクシーでも同じ。市内を走る沢山のタクシーの中に数台だけ、屋根に付いているマークが四葉のクローバーになっているタクシーが走っているらしい。粋な計らいです。京都に滞在している間、四葉のヤサカタクシーを捜したが、残念ながら僕は結局見つけることが出来なかった。
京都駅の伊勢丹の中で「〈トミカ〉ヤサカタクシー限定発売のお知らせ」なんていうのを目にしたので、もしやと思って見てみたが、こちらもしっかり三つ葉のクローバーのヤサカタクシーであった。四葉のヤサカタクシーはどこを走っていたのであろうか...。
タクシーの価格競争とは全く別の争いです...
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これってみんな知ってること?
ジャーナリストにはここまで書けない。

