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一攫千金

 日本テレビのアナウンサーが系列局の女性アナウンサーへのセクハラ行為で降格処分となった。サッカーが好きな僕にはこのアナウンサーは馴染み深い。南米のサッカー中継を模倣した「ゴ〜ル、ゴ〜ル、ゴ〜ル、ゴ〜ル」という連呼や、高校サッカーの実況の祭に毎年「10年にひとりの天才」なんていう発言を繰り返していた人なので、良くも悪くも個性的なアナウンサーだと思っていた。あれだけ盛り上がらない試合でも絶叫していた彼にはストレスなんて無縁なのだろうと思っていた。まぁストレスのせいでセクハラしたのではないのだろうけれど。

 一方、アメリカでのセクハラ訴訟も話題になっている。ニューヨークの高級日本料理店でウエイトレスとして働いていた日本人女性が日本人料理長ら2人にセクハラ行為を受けたとして、店などに2000万ドル(約23億円)の損害賠償を求める訴えを州の裁判所に起こしたのだ。むむ。23億円です。ロト6とサマージャンボと年末ジャンボが、一挙に当っても届きません。

 セクシャル・ハラスメントは人権侵害であるから悪であることは間違いない。悪事を働いたものが罰を受けるのも仕方がない。しかしだからといって、23億円も請求するというのは、なんだか僕の感覚では多過ぎるような気がする。訴えた女性は、シングル・マザーで働きたいのにもかかわらず、セクハラの影響で働きたくても働けないと言っているらしいが、もし23億円も懐に入って来たら、本人はおろか子どもも一生遊んでいられるではないか。

 アメリカでの訴訟では、賠償金額が多額に上ることが多い。1996年には米国三菱自動車がセクハラで訴えられ、最終的に約48億円の支払いで和解。また今年に入っても北米トヨタが訴えられ、1億9000万ドルの損害賠償を求める訴訟を起こされている。アメリカでの損害賠償額が高額になるのは、日本の裁判制度にはない「懲罰的損害賠償」のためである。懲罰的損害賠償とは損害賠償請求訴訟において加害者の不法行為が強い非難に値すると認められる場合に、裁判所の裁量により、制裁を加えて将来の同様の行為を抑止する目的で、実際の損害の補填としての賠償に加えて上乗せして支払うことを命じられる賠償のことをいう。日本の裁判制度では被害者の実害を補償するだけに留まるので、損害賠償の金額がアメリカの同様の裁判と一桁も二桁も違ってしまうのである。

 日本のやり方では、被害者が受け取る損害賠償の金額が少なすぎて、被害者が被害を回復できないという意見もあるらしい。しかしあまりにも金額が多いと、なんだか人権侵害を受けたことをネタに一攫千金を狙っているような気がしてならない。もちろん原告側に付いている弁護士がそそのかしたこともあるのだろうけれど。

まぁいろいろな訴えがあるのです...

訴えてやる!大賞―本当にあった仰天裁判73
訴えてやる!大賞―本当にあった仰天裁判73ランディ カッシンガム Randy Cassingham 鬼澤 忍

おすすめ平均
starsアメリカが抱える民事訴訟事情
stars今はまだ対岸の火事ということで笑っていられるが、いつか笑えなくなる日が来るのかもしれない…

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