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下山事件

 ニートしていて日頃話し相手がいない僕は友人と飲みに行った時などにここぞとばかりに最近疑問に思っていることを投げかけたりしてしまう。僕の疑問が友人の疑問と重なる保証はなく、また友人が答えを知っている可能性も少ないので答えを得られないことが多い。代わりに友人が疑問に思っていることを逆に尋ねられてしまう。
 「あれってどういうこと?」
僕が分からないなとか、知らないなとか答えると必ず言われる。
 「暇なんだから調べておいてよ。」
 つい最近、逆質問を受けたものは「下山事件」についてだった。下山事件とは連合軍による占領中の1949年7月5日に、時の日本国有鉄道(国鉄)初代総裁・下山定則氏が、出勤途中に公用車を待たせたまま三越日本橋本店に入り、そのまま失踪、15時間後の7月6日午前零時過ぎに常磐線・北千住駅—綾瀬駅間で轢死体となって発見された事件のことだ。こんな昔の事件のことを知るわけがない。友人も60年近く前の事件に興味を持つとは変わった奴である。
 ちょっと調べると、この下山事件とは事件の真相が解明されておらず、いわゆる迷宮入りになったままということが分かった。自殺なのか、他殺なのか、他殺なら誰が下手人なのか、全てが分からないらしい。しかも亡くなったのは国鉄の総裁だ。約10万人近い空前絶後の人員整理を求められていた国鉄の総裁が亡くなったのである。
 本によると事件の背後にはアメリカの反共活動があったのではないか、共産党の影あるのではないかなど、謎が謎を呼び「戦後史最大の謎」と呼ばれているらしい。そのミステリーさに作家松本清張も「日本の黒い霧」というノンフィクション作品を書いてしまったほどだ。
 ミステリー小説などの中では、犯人を絞り込む時に誰が得をしたか、ということがポイントになることが多い。下山事件ではいったい誰が得したのであろうか。紐解いていくと、その答えは日本という国だったのかもしれない。

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