赤富士
昨日富士山に行った。行ったと言っても登ってはいない。麓から眺めたのだ。山登りなんてちっともしたくない。ジョージ・マロニーのように「そこに山があるから」なんて言って登ってしまう人の気持ちは僕には分からない。
それなのに何故富士山に向かったかというと、赤富士というものをこの目で見てみたかったからだ。夕陽か朝日かに照らされて、赤く染まった富士山は幻想的だ、なんて会話をラーメン屋で友達としていたら、実際に行ってみることになったのだ。
夜中の一時に都内を出発し、富士の裾野を目指す。当初は東名高速で御殿場に向かっていたのだけれど、東名川崎インターあたりから早くも渋滞だった。夜中なのに。事故渋滞とはいえ、夜中の渋滞なんてなんとも世知辛い。渋滞情報によると御殿場までで3時間くらいかかる状態だった。それはいかん。日の出に間に合わない。そう判断した僕たち一行は急遽川崎インターで高速道路を降りて、中央高速で行くことにした。中央高速は東名高速の混雑が嘘のように空いていた。
無事に裾野に日の出の1時間前くらいに辿り着いたが、向かっている時から気になっていることがあった。空は一面雲に覆われ、星ひとつ見えない。これじゃ、赤富士どころか富士山そのものも見えないかもしれない。その不安は見事に的中し、日の出の時間になっても富士山の「ふ」の字も見えなかったのだった。なんてこったい。
ようやく雲の合間から富士山が顔をのぞかせたのはもう8時になろうかという時間だった。
帰り際に地元の人と話したら、「赤富士は一月山に籠ったら、一回くらいは見えるかもしれない」とのこと。それくらい珍しい現象なのだ。一見さんお断りと言われた気分だった。赤く染まった富士山は幻想的だけれど、一月もの間山に籠るほどの熱意は持ち合わせていないなぁ。
決定的瞬間にはいつ巡り会うか分からない。そんな時のためにはデジカメを持ち歩くに限ります。
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