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ユーモアの国

 イギリスはユーモアの国。この本はその信念に貫かれている。確かにユーモアがなければ「空飛ぶモンティ・パイソン」のようなテレビ番組は作れないだろう。日本で言うところのNHKに相当する公共放送のBBCが、これだけ下らない番組を作るなんてやはりただもの国ではない。
 本を開いてまず最初の章のターゲットは、ずばり国王である。イギリスでは国王をジョークの種にするという伝統があるのだという。おお〜、凄い!エリザベス一世の肖像画の前に立つエリザベス二世の写真では、エリザベス二世に「あなたは正しかったわ。子供なんて作るものじゃないわね!」なんて台詞を言わせてしまう国なのである。作る子供作る子供が結婚・離婚を繰り返しているエリザベス二世と生涯結婚しなかったエリザベス一世を比較してジョークとしてしまう。王位継承権第一位であるチャールズ皇太子の不人気さゆえに仕方がないのかな、なんて日本人の僕も納得してしまうと言うか、失笑してしまう。数々のジョークを目の当たりにした著者は「時代を超えて、一人ひとりの国王の性別と資質を越えて、何らかのかたちで国民に笑いを提供できるというのが、イギリス国王たるものの基本条件となる、ということである」という結論に達するのであった。イヤ〜、凄い。日本で天皇及び皇族を茶化したら大変だ。右の人たちから総攻撃を喰らってしまうだろう。君が代をロック調にしただけで大事になってしまった。それに引き換え、イギリスのロックグループのクイーンはアルバムに「GOD SAVES THE QUEEN」のイントゥルメンタルを入れているのに何も問題になっていない。
 イギリス人が物笑いの種にするのは何も王室だけではない。聖書でさえもそのターゲットになってしまうのだからもうあっぱれだ。ブッシュ大統領の支持団体であるキリスト教右派が読んだら卒倒してしまうようなネタが満載だ。一部を引用してみよう。これは十戒のパロディだ。
 「神は、光りあれと言われた。まぁ光はあるのだが、イースタン電力局から、つながるのは木曜日との連絡があった。神は光を見て、よしとされた。請求書を見て、ムッとされた。」
 全知全能の神であっても、請求書を送られるとムッとするのである。なんとも人間臭いではないか。こんな神さまならば、今度の週末にでも一緒に飲んでみたいと思う。 

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